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錦江しごと図鑑

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地域を、見えない土台の部分で豊かにしている大切な「しごと」。職業という仕事だけではない様々なかたちの「しごと」を通して町の人を紹介していきます。
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記事一覧

【錦江しごと図鑑】錦江町で人生の転機を迎える。 大井健史さん

今回の錦江しごと図鑑、21人目は錦江町で地方創生に取り組まれる大井健史さんにお話をお伺いしました。 もの腰がとても柔らかく普段は聞き手に回ることが多いそうですが、一体どんな幼少期を過ごされたのでしょうか。 「幼稚園の頃、当時の先生たちの間でついたコードネームが”宇宙人”。一階の教室にいて、休憩時間にトイレに行ったきり戻ってこないと。先生たちが名前を呼んだら、二階から”は〜い”と返事が聞こえてくる、とか(笑)ハサミを持たせたら自分の服をチョキチョキ切ったり、マラソンのラスト

【錦江しごと図鑑】花瀬で牛を育てて半世紀。 瀬戸口哲朗さん

今回の錦江しごと図鑑、20人目は花瀬地区にお住まいで2024年10月に70歳を迎えられた瀬戸口哲朗さんにお話をお伺いしました。 幼少期はお父様の教育方針がとにかく厳しかったそう。 「とにかく親父が厳しくてね。鼻血を出しても『泣くな!』って怒鳴られたりしたもんだよ。姉が4人いて一番上の長女がバレーボールをやりたいって言っても『ダメだ』って言って。そりゃ厳しかった。それであんまりにも不憫だから友達が3人くらい家にやってきて、うちの親父を説得して、やっと許可が降りた」 「うち

【錦江しごと図鑑】自然体の楽曲を作りたい。音楽家 久保慧祐さん

今回の錦江しごと図鑑、18人目は鹿屋市の文化会館で働きながら、錦江町田代の自宅で音楽制作に打ち込まれている久保慧祐さんにお話をお伺いしました。 ご実家が鹿屋市で、お父さまは大学で作曲の教授、お母さまもピアノの先生という音楽一家で育った久保さん。幼い頃から音楽に触れる機会は自然と多くなっていったそうです。 「両親の影響で中学校の頃から作曲に取り組んでいて、バンドを組んで、そこでも作曲を担当していました。書いた楽譜が実際の音になると嬉しいんですよね」 中学生時代から楽曲をコ

【錦江しごと図鑑】 田舎暮らしで第二の人生を満喫中。上田健児さん

今回の錦江しごと図鑑、17人目はセカンドキャリアとして錦江町への移住を決めた上田健児さんです。 これまで北九州市でパン屋さんを営んでいた上田さん。 ご家庭がひと段落し、お子さんの手が離れたことをきっかけに「何も縛られるものがなくなった」「人生一度きりだから」との想いを胸に、一念発起して錦江町への移住をしたのが2024年1月。 そこから半年以上が経過した現在の心境を忙しい合間を縫ってお休みの日にお伺いしました。 移住先を探すに辺り、特定地域づくり事業協同組合制度(以下特

【錦江しごと図鑑】 繋がりが生きるちから。小西紀代子さん

錦江しごと図鑑16人目は、近所の方々の見守りや認知症カフェの活動に参加されている小西紀代子さんです。 「私はね、人のつながりはすごいよ。昔っからの友達がよーさんいるの」と笑顔で話す小西さん。 錦江町で生まれ育った小西さんですが、子供の頃はこの町を出たいという強い気持ちを抱いていたそうです。 「勉強が大嫌いで、早く学校卒業したら出ていきたいと思ってて。それで工場の仕事をしに、奈良県に友達と2人で行ったの。親の意見なんか全く聞かなくて、反対を押し切ってね。親が迎えに来たりも

【錦江町しごと図鑑】柔軟にコツコツと。 有川宏人さん

錦江町しごと図鑑15人目は、有川宏人さんです。90年続く錦江町唯一の印刷所「有川印刷」でまちの広告や事務用品などの印刷や*DTPを手がけていらっしゃいます。 錦江町で唯一根ざす印刷所、『有川印刷』 「昔、錦江町には印刷屋が3軒あったんですよ。僕が子どもの頃まで大根占印刷、逆瀬川印刷、うちの印刷所だったんですけど、2件は残ってない。逆瀬川さんからは事業をやめられるときに活字をもらったらしいです。昔はパソコンがなくて、タイプライターですら珍しい時期があったわけだから、 印刷

【錦江しごと図鑑】ぶどう農園の未来を描く。 濵田高輝さん

錦江しごと図鑑、14人目は田代地区の奥深く花瀬川周辺でぶどうやマンゴーを栽培、販売するクラシックブドウ浜田農園の濵田高輝さんです。 農業大学を卒業後、一般企業を経て、ご実家である浜田農園で働くことを選ばれた高輝さん。農園の作業で忙しい合間を縫ってインタビューに応えてくださいました。 子供の頃からご実家の手伝いをされていた高輝さん。 「小学校5~6年くらいから農園の手伝いをはじめたんですが、やっぱり子供だし、そんなに真剣じゃなかったですね。ぶどうばっかり食べたり、近所にお

【錦江しごと図鑑】餌から育てて大隅のお肉の魅力を発信する。 大野 徹さん

錦江町しごと図鑑、13人目は地域活性化センター神川を拠点にトウモロコシや麦、大豆、飼料用米など濃厚飼料作物の生産をされている大野徹さんです。 大隅のお肉に魅力を感じて、2021年に錦江町へ移住。豚を餌から国産で育てるプロジェクトに勤しむ中で感じる大隅のお肉の可能性について、お話を伺いました。 福岡から錦江町へ もともとは福岡で保育士として働いていたといいます。 畜産や農業と関わりのないお仕事に勤められていたのに、なぜ錦江町で飼料生産を行うようになったのでしょうか。 「保育

【錦江しごと図鑑】美容業界からえのき農家へ。 石垣菜月さん

錦江しごと図鑑、12人目は田代地区にお住まいのきのこ農家である南九州きのこセンターの石垣菜月さんです。 30歳目前までニューヨークで美容師をされていたという異色の経歴をお持ちの石垣さんですが、華やかに見える世界を離れ、なぜ錦江町の農家へ転身されたのでしょうか。その時々の想いと共にお伺いしました。 子供の頃から、学校が休みの日になるとご実家のお仕事をずっと手伝ってきた石垣さん。周りはサラリーマンの家の子が多く、休みの日に遊べないのがすごく嫌だったそうです。 その反動もあっ

【錦江町しごと図鑑】大型トラックで愛する地元を支える。 楠元洋亮さん

錦江町しごと図鑑11人目は田代地区で運送業をされている楠元洋亮さんです。地元、田代地区にある運送会社から大型トラックの運転手として錦江町の畜産農家さんを陰ながら支えていらっしゃいます。 先輩方の背中を追って大好きなトラックに乗る 「トラックの仕事がしたかったっていうのがすごいあって。親父とかトラックに乗る先輩方の背中をずっと見ていたから、いつか自分もこの人みたいになりたいと思ってた。小さい頃からその夢だけは変わらなかったね」 高校卒業後、「2トン車に初心者マークを貼って

【錦江しごと図鑑】 チャレンジできるローカル。若者の未来と可能性。 アイサメ/水谷拡嗣さん

錦江しごと図鑑、10人目は、アイサメ(AIsame)の名義で、映像クリエイター・シンガーソングライターとして活動している、水谷拡嗣さんです。 2023年4月から、錦江町未来づくり専門員の企画「アーティスト・イン・レジデンス」を活用し、移住。 アーティストとしての活動だけでなく、日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」のコミュニケーション・デザイン部門に広報担当としても所属する中、いまどんな活動をされているのか、移住して感じていることなど、お話をうかがいま

【錦江しごと図鑑】 「好きこそものの上手なれ」 仕事も趣味も探究を楽しむ。 君付忠和さん

錦江しごと図鑑、9人目は田代川原地区の獣医師、君付忠和さんです。田代地区の未来を見据えながら、”楽しむこと”をモットーに動物病院の運営や吹奏楽団のリーダーを手がけていらっしゃいます。仕事に趣味に日々はつらつと取り組まれる君付先生に、獣医師として働く上で大切にしていることをお聞きしました。 錦江町のドクタードリトル、君付先生 「南種子では断らないように、どうしたら治せるか、飼い主さんの要望に答えられるかを考えるようにしていたよね。そういうことを考えるのが好きなんだろうね。一

【錦江しごと図鑑】 自然と向き合うことで自分が強くなる町。 喜鉢大司さん

  錦江しごと図鑑、8人目は花瀬地区に住む、モダンアーティストの喜鉢大司さんです。 以前は、東京の IT 関連の会社で管理職を勤めていた喜鉢さん。 一風変わった独特な作品を作られますが、どういうコンセプトをお持ちなのでしょうか。普段、あまり聞くことができない、作品づくりに対する想いをうかがいました。   「アートにはじめて触れたのは大学時代。大阪芸術大学で芸術を専攻していました。制作活動は熱意を持って取り組めましたが、卒業の時期になって進路を決める必要が出てきました」  

つながりが巡る幸せ。馬込由美子さん

錦江しごと図鑑、7人目は笹原地区に住む馬込由美子さん。 「私はですね、人と人との繋がりが本当に幸せに繋がるって思いながら生きてきました」 開口一番そうおっしゃった馬込さんに、人と繋がる豊かさについてお話を伺いました。 錦江町大根占の家で生まれ育ち、高校では家政科という料理や栄養、和裁などを学んでいたという馬込さん。 「大好きな女の先生がいらっしゃって、『私もいつか調理師の免許を取って、先生みたいになりたい』って言って。それで会社は滋賀の家政専門のところへ行ってました」