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大好きなケーキを作り続ける。柿迫のぞみさん

錦江しごと図鑑。
2人目は、ケーキ畑KAKIZAKOの柿迫のぞみさんです。
今年の8月から田代地区の空き家に店舗を構えてケーキ屋さんをオープン。
どんなきっかけや心境でケーキ屋さんをされているのか、伺ってみました。

パティシエになるのが夢だった

もともと肝付町で生まれ育った柿迫さん。小学生のころからパティシエになることが夢だったそうです。
「高校で唯一パティシエコース科がある高校に行って、寮生活をしていました。高校卒業してからは東京のケーキ屋さんに就職して、3年くらい焼き菓子から生菓子まで一通り教わりました。そのあと、結婚式場のブライダルパティシエを1年くらいやっていました。」

東京ではとにかく何でもできるようになりたいと、朝から夜まで働き、仕事が終わってからも勉強する日々だったそうです。
そんな中眠れない日々が続き、体調を壊されて鹿児島に帰ってきたとおっしゃいます。

「鹿児島では、一番おいしいと思ったケーキ屋さんで3年間働いていました。でも決められたケーキだけを作るっていうのが多分自分に合わないと思ってきて。ケーキ屋さんって1つのケーキに掛かる予算とかフルーツの量とかが決まっているんです。そういうのが私はダメで。お店によってシェフの考え方とかは違うんですけど、決められたケーキがあるっていうところはやっぱり変わらなくて。なんかもっと自由にやりたいなっていうのがありました。自分の好きなようにケーキを作れるお店をやりたいなって。」

実家の果樹園をケーキ屋に

モヤモヤとした気持ちを抱えながらケーキ屋さんで働かれる一方で、休みの日はご実家でおばあさんの代からされている果樹園の手伝いをしていました。

「実家の手伝いをする時は自由にできるので、加工品もどんどん自分で色んなもの作っていたんですよ。ジャムもブルーベリーだけだったので、みかんジャムとか、ミックスジャムとか色々作ってたら、あ、これ楽しいなって思って。」

その後退職し、果樹園で予約制のケーキ屋さんを始められた柿迫さん。

自分で自分のケーキを作れること、お客さんとコミュニケーションが取れることが楽しいとおっしゃいます。
「ケーキ屋さんって美味しくて当たり前なので、お客さんの声はあまり聞くことができないんです。 自分で作って直接お客さんにケーキを渡せることで、お客さんの反応とか美味しかったとか、感想とかすごくリアルに聞けて、あー嬉しいと思いましたね。」

果樹園の時からのお客さんが紹介してくれたこともあり、国分や鹿児島市からのお客さんもいらっしゃったそうです。
「私からしたら、遠いところこんな畑の中までって感じだったんですけど、『どんな場所でも、美味しいと思ったら行きたくなります。』って言ってくれたのがすごい印象に残ってます。」

ケーキを作り続けることができれば

その後、ご結婚されて旦那さんのご実家がある田代に引っ越すことになった柿迫さん。たまたま見つけた空き家の一階部分が店舗だったこともあり、「ケーキ屋さんできるんじゃない?」という旦那さんの一言でお店をしようと思ったそうです。空き家のリフォームも旦那さんがしてくれたそうで、「旦那の理解があってこそできた。」とおっしゃいます。

オープン初日は台風だったこともあり、人もあんまり来ないだろうと思っていたそうですが、蓋を開けてみたら2時間で完売。大盛況でした。

柿迫さんのホールケーキは、できるだけお客さんの要望に応えてやってみるスタイル。
「お客さんと話しながら、土台の色とか飾りとかを聞きます。今までのケーキから提案もできるし、お客さんからこんなのがいいって言われたら基本的には断らずにやってみますね。勉強にもなるので。」

「ケーキを作る時は毎回ドキドキしています。初めて作るケーキが多いので、とにかくもう、どんなケーキでもやってみています。」

「お客さんが増えてくると、(ケーキの)アルバムがあるのでそれを見ながら、『これ僕のケーキだ』とか、『私のケーキ』って言われると、 お客さんの記憶の中に私のケーキが残ってるっていうのが、なんかすごく嬉しくて。」

「もっと街でお店を開いたらいいのにって言われるんですけど、お店を大きくしたりすることは全然考えていなくて。ケーキが好きっていうそれだけでやっているので、一人でできる範囲でずっと続けられたらなと思います。」

これからは、旦那さんが作っているお米や人参を使ったお菓子や、リクエストが多いモンブランや苺のケーキも作っていきたいとおっしゃいます。

お客さんのリクエストを受けて、色んなケーキに挑戦していきたいという柿迫さんの姿勢が、小さな町のケーキ屋さんとして人々の幸せをつくっています。


*編集後記*
「町のためにとかは全然考えたことがなくって、ケーキ作りが好きで、ただそれをしてるっていうだけです。」とおっしゃっていた柿迫さん。好きなことにまっすぐ真剣に取り組んでいる柿迫さんのような働き方こそ、周りの人やこどもたちにとって未来を生きるエネルギーになるのだろうなと思います。田代にお立ち寄りの際はぜひ行ってみてください。

ケーキ畑KAKIZAKO
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