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人がすきだから商売も好き。~厚ケ瀬精肉店~

「元気の源だから。仕事は」

そうおっしゃるのは、創業60年を迎える厚ヶ瀬精肉店の厚ヶ瀬みすさん。厚ヶ瀬精肉店は、みすさんと、旦那さんである政美さんのお2人でお店を運営しています。
もともと政美さんのご両親の代ではじめた精肉店でしたが、お母さんが突然亡くなり、東京にいた政美さんが、急遽錦江町に帰ってお店を引き継ぐことになりました。

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店主の厚ヶ瀬政美さん


突然のことで、とにかく仕事に一生懸命だったという政美さん。唯一の楽しみは、商店街の友人たちと遊んだことでした。ゴルフをしに行ったり、町の商店街でお祭りを開催したり。当時のお祭りには何百人もの人が集まり、賑わっていたそうです。食堂やスーパー、洋服屋などで盛り上がっていた商店街は、今は数件しか残っておらず、寂しくなっています。

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商店街で賑わっていたお祭りの様子

そんななかでも、お店を続ける厚ヶ瀬さんご夫婦はなぜかとても楽しそうです。

その楽しさの源は、地域の人たち。
取材で何度かお邪魔した時も、毎回地域の方と談笑されていました。

「ほんとに来てくれるだけでうれしいのよ。こんなちっさい店だけど、来てくれる人はほんっとにありがたいと思うのよね。人とのつながりが好きなんだよね。人が好き、お客さんが好き。そんなのがあるのよ。好きなんだろうね、商売が」

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厚ヶ瀬みすさん

お話を伺う度、お客さん、近所の方への愛が溢れ出ていたみすさん。「この間も、一人暮らしのおばあちゃんのところに配達に行っててね。そしたら来てくれて嬉しいってすっごい喜んでくれたの」と、嬉しそうに話してくださいました。
お店のケースにお肉がほとんど置かれていないのも、注文を受けてから切ってあげたいからだそう。人との会話を大切にするこのお店の雰囲気は、昔の商店街のお店だからというより、人が好きというお2人の雰囲気からつくられているように思います。

この町が好き、人が好きだからこそ、町の事を考え、様々なボランティアにも取り組んでいるお2人。政美さんは、「錦江町出身の人が帰ってきた時に、少しでもきれいな状態であってほしいから」と、お店近くのバス乗り場や商店街の道路に花を飾り、手入れをされています。

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政美さんが手入れをされている花壇

盛り上がっていた商店街も、寂しくなった商店街も、見守り続けていたお2人。変わらずにこの土地が好きだ、ということがお2人の生き方から感じられました。


県内産の牛だけを取り扱い、自家製の黒豚味噌漬けが一番人気の厚ヶ瀬精肉店。元気がある限りお店は続けるとおっしゃるお2人は、「大隅という大自然で育った食材を食べてほしい」と、大好きな土地で育つ自慢のお肉をこれからも提供し続けます。


厚ヶ瀬精肉店の商品はこちらから


取材・執筆 錦江町未来づくり専門員 馬場みなみ

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