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【錦江しごと図鑑】 チャレンジできるローカル。若者の未来と可能性。 アイサメ/水谷拡嗣さん


錦江しごと図鑑、10人目は、アイサメ(AIsame)の名義で、映像クリエイター・シンガーソングライターとして活動している、水谷拡嗣みずたに ひろつぐさんです。

2023年4月から、錦江町未来づくり専門員の企画「アーティスト・イン・レジデンス」を活用し、移住。

アーティストとしての活動だけでなく、日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス「|Creema《クリーマ》」のコミュニケーション・デザイン部門に広報担当としても所属する中、いまどんな活動をされているのか、移住して感じていることなど、お話をうかがいました。


移住のきっかけ

「出身も育ったのも横浜市なんですが、良くも悪くも都会から離れて住んだ経験をしたことがなくて」

「首都圏だと、映像制作やアーティスト活動のための制作環境を確保するのが大変なことが多くて。でも、錦江町に最初に訪れた時に、とても可能性を感じました」

「まず、都心に比べて家賃が安い。仮に同じ家賃でも、広さが全然違います。特に家同士が密接していない場所だと、音を出しやすいということもありますし、部屋が広いと、C G制作でも出来ることが段違いに増えます」

「移住に踏み切れたのは、先に地域おこし協力隊として町に移住していたフルート奏者の伊藤愛さんの影響が大きかったです。
 自分と同じ年齢の人が、ローカルに住みながら首都圏とローカルの両方の仕事ができていることにとても可能性を感じて、すぐに錦江町への移住を決めました」


予想していなかったまちの魅力

実際に住んでみて、どんな印象ですか?

「横浜にいた時より、自分の作る曲の雰囲気が明るくなったと感じます。地方移住して、はじめての錦江町の夏が楽しかったというのもあるかもしれませんが」

作品づくりにも影響があるんですね。夏はイベントも多い季節ですが、どんな夏でしたか?

「『錦江レゲエ浜祭り』と『やまんなか音楽祭inはなぜ』に、撮影や出展側として参加させていただいたのですが、まず正直、この錦江町にこんなに人が集まっているのにびっくりしました」

「それから気づいたのは、こちらのみなさんは、東京の人よりカメラに反応してくれます。ピースサインとかも含めて、反応が好意的だと感じます」

「素敵だった錦江町の夏の様子を、感謝を込めて曲と映像にしているので、よかったらぜひ観ていただきたいです」



曲も映像も、錦江町での暮らしに基づいてなんですね。
イベント以外には、どんなことがありましたか?

「移住してから始めたインスタグラムのリール動画が、いわゆるバズった感じになりました。『ほぼ、本土最南端から何時間かかる?』という動画と、『新しい移動手段です』という動画なんですが、それぞれ14万回、21万回以上再生されました」

「これが一番予想していなかったことなのですが、都市部と比べたときに自己完結性が低いので、ローカルの生活だと誰かがいると感じることが多いです。
 夜ご飯も誰かと食べることが増えましたし、空港に行く時も有難いことに誰かが送迎してくれます。
 知り合った方の事務所にも気軽に行きやすいですし、一人の人と知り合うとそこから繋がっている多くの人と知り合えるのは、ローカルの暮らしならではの魅力かもしれません」


錦江町での仕事、働き方

都市部の仕事としては『|Creema《クリーマ》』で広報を担当されているとのことですが、錦江町では他にどんな仕事をしていますか?

「撮影や映像編集の仕事が多いのですが、印象的なのは学校に関わらせていただく仕事です。去年は町の事業で、池田小学校で行われた『錦江町ジュニアチャレンジ』の撮影に携わりました」

都市部とローカルで、学校の雰囲気など違いを感じることはありますか?

「都市部では、1つ学年が違うと全然生徒同士の関わりがないということも多いのですが、生徒のみなさん同士がまるで親戚みたいに仲が良くて。
 それと、生徒のみなさんがとても積極的に自分に関わってくれて、撮影に加わった最初の授業で生徒さんの一人から折り紙をもらったのがとても嬉しかったです」

「私が撮影して作成した、授業風景の動画を観た生徒のみなさんがものすごく喜んでくれたり、アイサメさん、と名前で呼んでくれたりと印象に残っているので、何かできないかと思って。いま、池田小を舞台にした、新しいミュージックビデオを計画しています」

「今年度は、南大隅高校の方で映像制作のお手伝いを講師の立場でさせていただいているのですが、どんなふうになるのかとても楽しみです」


多拠点生活から広がる未来

錦江町をはじめ、地元横浜や青森と、あちこちで活動されていますが、そこから見えてきた未来があったりしますか?

「はい。今は海外に出ようと思っています。それは、おかげさまで地方では少しづつですが、お仕事ももらえるようになり、みなさんに知っていただけるようになりました。これをいろんなところでやれば未来はあるのかな、とも考えています」

「チャレンジするなら怖い方に行った方が良い、という自分の価値観もあるのですが、一番大きかったのは、海外に行こうかなと考えて錦江町のみなさんに相談した時に、誰も私の考えを否定しなかったんです。
 みなさんが、良いねと応援してくれて、自分に可能性を感じてくれたのがとても嬉しかったです」


錦江町を通じて様々な経験をして、応援もされて、ご自身の未来を拡げて来られたと思うのですが、これから自分の将来や仕事について考えている若い学生さんたちに向けて、何か伝えたいことはありますか?

「好きなことをして生きてください」

「好きなことをして欲しいし、いろんな場所に行ってみて、いろんな失敗をしてください。
 私は、都会で一人暮らしをしていた時より、いろんな所にいる今の方が全然幸せです。何でもある都会でも、ずっとそこにいると飽きてしまいます」

「これから海外に向けて新しいチャレンジをしますが、これからも自分のスキルでいろんな人を輝かせたいですし、また、自分自身も、もっと輝けるようになりたいと願っています。
 だから若いみなさんにも、自分と未来を輝かせるために自分の好きなことにチャレンジしてもらえたら、とてもうれしいです」



*編集後記*
いつも笑顔が印象的な水谷さん。そのやわらかい雰囲気に周りの子供たちや学生さんが集まってきて、すぐに仲良くなる場面を目にすることが多かったです。

また、自由なイメージのあるアーティストに限らず、誰もが自分らしく生きられる自由があり、それに対する周囲の理解や応援といった環境がとても大切で、それこそが地域の未来を作っていくのかもしれないと感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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▽ アイサメ AIsame

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